離婚など財産分与を行わなければならなくなったとき、持ち家などの不動産はどのように扱われるのでしょうか?住宅ローンが残っている場合に売却はできるのか、ローンの支払い責任はどうなるのかも気になるところです。財産分与と不動産についてお話しましょう。
■ローンの返済が終わっているケースでは?
不動産の市場価格で評価され、1/2ずつの財産を分け合うのが基本になります。
方法としては…
① 売却して得た金額を1/2ずつ分ける。
② 売却せず夫婦のどちらかが所有。全資産の1/2を超える評価額なら差額を相手に支払う。
③ 共有資産にする。
財産分与では、持ち家など不動産を、夫婦が共同で築いた資産として扱われることが一般的です。
このため、市場価格評価額の1/2ずつを分けるか、現物を分けることになりますが、共有名義では、売却や賃貸などの契約で必ず相手の承認が必要になり、実質活用できないので、①か②の選択をすることになるでしょう。
夫側が持ち家の権利を獲得する場合、②の考え方を利用して、評価額の1/2を妻側に支払います。
ローンが残っている場合には、まだ自分たちの資産になっていませんから、ローン借入先の銀行に相談しなければなりません。
もし、ローン残高以上の価格で売却することができるのなら、売却してローンを完済し、プラスの差額がでた場合は、その額を1/2ずつ分けます。
もし、売却見込み額が、ローン完済額に届かない場合でも、任意売却や、破産手続きを取って、ローンを精算できるケースがあります。
売却を依頼する際は、こうした物件を有効活用するノウハウを持った不動産業者でないと選択肢が狭くなってしまいますので、ご注意下さい。
それができる不動産業者は、p仕入れたあとの『出口』がしっかりしているだけに、高価買い取りをしてくれる場合もあります。
任意売却等、特殊なケースも扱い慣れていますから、見積もりを取る時には、ぜひ、活用しましょう。
相続や贈与で不動産の価値を評価する場合には、固定資産税評価額や路線価など、税務署や国土交通省の基準を使います。
財産分与の場合には、実勢価格ですから、見積もりで競合してもらって、できるだけ高い評価をつけてもらうことが手持ちの資産を減らさずにスッキリ財産分与できる方法になります。
ローンが残っている場合には、あくまでもローン契約者が責任を負います。
中には、夫が返済を続けながら、妻と子が住み続けるというケースもありますが、夫が行方をくらまして、返済滞納、不動産の抵当権によって住まいを失うといったことが起こる可能性があります。
手放さずにローンを支払い続けるのか、金融機関、弁護士などに相談して判断しましょう。