家族構成やライフスタイルが変わっていくことを考えて、元気なうちに、老後暮らしにあった家に住み替えたいと考える人が増えています。リタイア直後は田舎暮らしに魅力を感じた人が通院や暮らしの利便性が良いところに移りたいと考えるケースもあります。老後の家を考える時に知っておきたいことについてお話しましょう。
最近良く聞かれる“終活”という言葉。
かつてものがない時代には、親子間で大切にしたいものは譲り渡し、いつか子どもや孫に使ってもらう…という思いで、一つの物を長く使い続けることが当たり前でした。
ところが、十分にものが行き渡っている今、必要な時に、必要なものがあれば十分な暮らしに変わってきました。
むしろもったいないとしまいこむと、この世を去った時に後始末する子どもたちに負担がかかる時代です。
高齢になれば、持ち物の整理や処分、掃除もままならなくなります。
今の家を子どもたちが受け継いで暮らしてくれるなら、時間をかけて整理してくれるかもしれません。
しかし、職場が離れている、すでに自宅を持っている場合には、家財の整理、住宅の管理で苦労させることになりかねないのです。
①持ち物を減らし身軽になる
子どもたちが使わなくなった部屋をそのまま残してある、そういったスペースが物置代わりになって物が増えているといったことはありませんか?使いみちのない、もらってくれる人のいないものは、少しずつ処分していきましょう。
②元気なうちにコンパクトな暮らしに切り替える
体力的に余裕がある70歳~75歳の間にミニマムな暮らしに切り替えることをおすすめします。夫婦二人暮らしにちょうどよい2LDKや1LDKのマンションに住み替えるのも良いでしょう。介護サービス付きのシニア向け物件に入居すれば、長く住むことができるでしょう。
③終の棲み家の条件を吟味しておく
一般のマンションの場合は、介護が必要になった時に、施設入所や長期入院を考えなければなりません。介護サービス付き物件に入れば同じところに長く住めますが、利用サービスが増えるごとに支払いは大きくなります。認知症や片麻痺などになれば、特別養護老人ホームに入所するかもしれません。
売却して、住み替え費用、医療費や、老後の介護が必要になった場合の資金として現金化しておくのは賢い選択です。
・築年数が浅いうちに売却したほうが高額になる可能性がある。
・体力的に自信があるうちに引っ越しを済ませたほうがよい。
子どもが相続しても管理できないなら、早期売却のメリットがいかせるうちに行動を起こすことをおすすめします。