親が亡くなって住んでいた葛飾区の土地や建物を相続財産として取得したけれど、自分は別で家を建てているので使い道がないことから売却する場合、譲渡所得として所得税が課税されることになります。
所得税の負担が大きくなるのは避けたいものですが、相続して3年以内に売却した場合には税金を軽減できるケースがありますので確認しておきましょう。
相続財産を譲渡すると取得費の特例を適用させることができ、一定期間内の譲渡の場合には、譲渡資産の取得費に相続税額の一定額を加算することが可能です。
この特例は、相続で取得した土地や建物を一定期間内に譲渡した場合、相続税額の中の一定金額を譲渡資産の取得費として加算できるという制度です。
特例を受ける場合には、相続や遺贈で財産を取得した人で相続税が課せられていること、そして相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに、財産を譲渡することが要件となり、譲渡した日の翌年3月15日までに確定申告を行うことが必要です。
課税譲渡所得金額の算出方法
譲渡所得は、「譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除」で算出します。
土地や建物の売却代金などで、取得費に譲渡した土地や建物の購入費用、購入手数料、設備費や改良費などを含みます。
建物の取得費については、所有している期間における減価償却相当額を差し引いた金額になります。特例が適用される場合、相続で取得した財産に対する相続税の一定額も含めることが可能です。
土地や建物を売却するために支出した仲介手数料や売買契約書の印紙代、測量費などが該当します。
これは公共事業などで土地や建物を売却した場合に受けることができる特例の控除なので、該当しないケースがほとんどでしょう。
土地や建物の譲渡所得は、取得して売った時までの所有期間により、長期譲渡所得と短期譲渡所得の2つに分けられます。なお、相続した財産は、亡くなった人が取得をした時から換算して考える点に注意しましょう。
長期譲渡所得に該当するのは所有期間が5年を超えているもの、短期譲渡所得に該当するのは所有期間が5年以内のものです。
課税譲渡所得金額に税率を掛けて税額を算出することになりますが、原則、長期譲渡所得は20.315%、短期譲渡所得の場合は39.63%です。
所有期間が長いほうが税率は安いので、親が長く住んでいた実家等の場合は長期譲渡所得となり、さらに相続して3年以内に売却することで相続税額の中の一定額を取得費に含めることができ、結果として所得税を軽減させることが出来るでしょう。